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起業で使える補助金・助成金一覧!申請方法から注意点まで解説

コラム

2025.09.24

「自分のアイデアで事業を始めたい!」そう思っても、多くの人が直面するのが資金の壁です。自己資金だけでは、事務所の契約や設備の導入、広告宣伝費などをまかなうのは難しいかもしれません。

そんな起業家の強い味方となるのが、国や自治体が提供する❝返済不要の「補助金」や「助成金」❞です。これらの制度をうまく活用すれば、資金的な負担を大幅に軽減し、事業のスタートダッシュを力強く後押ししてくれます。

この記事では、これから起業や会社設立を考えている方、または創業して間もない個人事業主の方に向けて、以下の内容を分かりやすく解説します。

    • 補助金と助成金の基本的な違い
  • 起業・創業時に使える国や東京都の代表的な制度
  • 申請から受給までの具体的な流れ
  • 採択されるためのポイントと注意点

この記事を読めば、あなたに合った資金調達の選択肢が見つかり、起業への一歩を具体的に踏み出せるはずです。

補助金と助成金の基本的な違い

「補助金」と「助成金」は、どちらも国や自治体から受け取れる返済不要の資金ですが、その性質は大きく異なります。まずは、この2つの違いをしっかり理解しておきましょう。

補助金とは?事業計画の審査を経て採択

補助金とは、主に経済産業省や地方自治体が管轄し、国の政策目標(新規事業の促進、地域活性化など)に合致する事業を支援するために支給されるお金です。

大きな特徴は、公募期間内に申請し、事業計画書などをもとに審査を経て採択される必要があることです。予算が限られているため、応募者の中から優れた事業が選ばれる「競争」の要素があります。そのため、申請すれば必ずもらえるわけではなく、事業の将来性や社会への貢献度などをアピールすることが重要になります。

助成金とは?要件を満たせば原則受給可能

助成金とは、主に厚生労働省が管轄し、雇用の安定や労働環境の改善などを目的として支給されるお金です。

補助金との最大の違いは、定められた要件を満たしていれば、原則として受給できる点です。予算の範囲内で先着順となるケースもありますが、基本的には競争ではなく、要件を満たしているかどうかの形式的な審査が中心となります。通年で募集しているものが多いのも特徴です。

比較表で見る補助金と助成金のポイント

補助金と助成金の違いを、以下の表にまとめました。どちらが自分の目的に合っているか確認してみましょう。

目的

新規事業創出、技術開発、地域振興など政策目標の達成

雇用の創出・維持、労働環境の改善、人材育成など

主な管轄

経済産業省、地方自治体など

厚生労働省など

審査

事業計画の審査があり、採択・不採択が決まる(競争)

要件を満たしているかの審査が中心(原則受給)

受給難易度

高い傾向にある

低い傾向にある

公募期間

短期間(数週間~1ヶ月程度)の場合が多い

通年や長期間の場合が多い

財源

税金

雇用保険料

起業・創業で使える国の補助金・助成金一覧

まずは、全国の起業家が利用できる、国の代表的な補助金・助成金を紹介します。それぞれ目的や対象が異なるため、ご自身の事業内容に合ったものを見つけてください。

小規模事業者持続化補助金(創業枠)

小規模事業者が販路開拓や生産性向上のために取り組む費用の一部を支援する制度です。特に、これから創業する方や創業後間もない方向けに**「創業枠」**が設けられています。

  • 対象者 産業競争力強化法に基づく「特定創業支援等事業」による支援を公募締切時から起算して過去3か年の間に受け、かつ、過去3か年の間に開業した事業者。
  • 補助上限額・補助率 補助上限は200万円、補助率は補助対象経費の2/3以内です。
  • 対象経費の例 Webサイト関連費、チラシ作成・広告掲載などの広報費、店舗改装費、展示会等出展費など、販路開拓に必要な経費が幅広く対象となります。

(参考:全国商工会連合会 小規模事業者持続化補助金

事業再構築補助金(物価高騰対策・回復再生応援枠)

ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するため、中小企業等の思い切った事業再構築を支援する大型の補助金です。いくつかの申請枠があり、起業直後でも要件を満たせば**「物価高騰対策・回復再生応援枠」**などを活用できる可能性があります。

  • 対象者 業況が厳しい事業者や事業再生に取り組む中小企業等。
  • 補助上限額・補助率 従業員規模に応じて補助上限額が変動します(例:従業員5人以下で1,000万円)。補助率は中小企業で2/3です。
  • 対象経費の例 建物費、機械装置・システム構築費、技術導入費、広告宣伝・販売促進費など、事業再構築に必要な投資が対象です。

(参考:事業再構築補助金事務局 公式サイト

ものづくり補助金(製品・サービス高付加価値化枠)

中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的な製品・サービス開発や生産プロセス改善のための設備投資等を支援する制度です。新製品開発を目指すスタートアップにも適しています。

  • 対象者 革新的な製品・サービス開発に取り組む中小企業・小規模事業者等。
  • 補助上限額・補助率 従業員規模や申請枠により異なりますが、「製品・サービス高付加価値化枠」では750万円~1,250万円。補助率は1/2(小規模・再生事業者は2/3)です。
  • 対象経費の例 機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、クラウドサービス利用費などが対象です。

(参考:ものづくり補助金総合サイト

IT導入補助金

中小企業・小規模事業者が自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する経費の一部を補助し、業務効率化や売上アップをサポートする制度です。

  • 対象者 ITツールを導入して生産性向上を目指す中小企業・小規模事業者等。
  • 補助上限額・補助率 申請枠(通常枠、インボイス枠など)によって異なります。例えば、通常枠では補助率1/2以内で最大450万円まで補助されます。
  • 対象経費の例 会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフト、ECソフトなどのソフトウェア購入費やクラウド利用料、導入関連費などが対象です。

(参考:IT導入補助金2024 公式サイト

中途採用等支援助成金(生涯現役起業支援コース)

40歳以上の方が起業し、中高年齢者(40歳以上)等を従業員として雇用した場合に、募集や採用、教育訓練にかかった費用の一部が助成される制度です。

  • 対象者 40歳以上で起業し、中高年齢者等を雇用保険の被保険者として雇い入れる事業主。
  • 支給額 起業者が60歳以上の場合は最大200万円40歳~59歳の場合は最大150万円が支給されます。
  • 対象経費の例 募集・採用パンフレットの作成費用、求人広告の掲載費用、従業員への研修費用などが対象です。

(参考:厚生労働省 中途採用等支援助成金(生涯現役起業支援コース)

東京都の起業・創業向け助成金

次に、東京都で起業する方向けの代表的な助成金を紹介します。自治体独自の制度は、国の制度と併用できる場合もあるため、ぜひチェックしておきましょう。

創業助成事業(東京都中小企業振興公社)

都内での創業を具体的に計画している個人や、創業後5年未満の中小企業者を対象とした、非常に人気の高い助成金です。

  • 対象者 都内で創業予定の個人、または創業後5年未満の中小企業者等で、特定の要件(例:TOKYO創業ステーションの事業計画書策定支援修了者など)を満たす方。
  • 助成上限額・助成率 助成上限額は300万円(下限100万円)、助成率は助成対象経費の2/3以内です。
  • 対象経費の例 人件費、賃借料、広告費、器具備品購入費など、創業初期に必要な幅広い経費が対象となります。

(参考:東京都中小企業振興公社 創業助成事業

若手・女性リーダー応援プログラム助成事業

都内商店街での開業を通じて、地域の新たな担い手となる若手や女性を支援する制度です。飲食店や小売業など、店舗型のビジネスを考えている方におすすめです。

  • 対象者 都内の商店街で開業予定の若手(39歳以下)または女性。
  • 助成上限額・助成率 事業区分によりますが、最大で730万円。助成率は3/4または2/3以内です。
  • 対象経費の例 店舗の新装・改装工事費、設備・備品購入費、販売促進費などが対象です。

(参考:東京都中小企業振興公社 若手・女性リーダー応援プログラム助成事業

インキュベーション施設整備・運営費補助事業

こちらは起業家が直接受け取るものではありませんが、知っておくと役立つ制度です。都が、起業家を支援する民間のインキュベーション施設(レンタルオフィスやコワーキングスペースなど)の運営事業者に対して経費を補助するものです。

この制度によって、起業家は安価で質の高いオフィスや経営支援サービスを利用できるようになります。創業初期の拠点を探す際は、こうした補助を受けた施設を探してみるのも一つの手です。

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申請から受給までの7ステップ

補助金・助成金の申請は、複雑で時間がかかるプロセスです。ここでは、一般的な補助金の申請から入金までの流れを7つのステップで解説します。

ステップ1:情報収集と公募要領の確認

まずは、J-Net21やミラサポplus、各省庁・自治体のウェブサイトなどで、自分の事業に合った補助金・助成金を探します。気になる制度を見つけたら、必ず「公募要領」を隅々まで読み込み、目的、対象者、対象経費、スケジュールなどの詳細を確認しましょう。

ステップ2:事業計画書の作成

補助金申請の核となるのが事業計画書です。なぜこの事業が必要なのか、どのようなサービスを提供するのか、どうやって収益を上げるのか、補助金を何に使うのかなどを、審査員に分かりやすく、かつ具体的に記述する必要があります。

ステップ3:必要書類の準備と申請

公募要領で定められた必要書類をすべて揃えます。履歴事項全部証明書(法人の場合)や開業届(個人事業主の場合)、決算書、見積書など、多岐にわたることが多いです。近年は、**GビズID**という電子申請用のID取得が必須な場合がほとんどなので、早めに取得しておきましょう。

ステップ4:審査・面談

提出された書類をもとに審査が行われます。書類審査だけでなく、事業内容についてプレゼンテーションを行う面談が課される場合もあります。自分の事業の強みや将来性を、熱意をもって伝えられるように準備しておきましょう。

ステップ5:採択・交付決定

審査を通過すると「採択通知」が届きます。これで一安心、ではありません。次に、補助金の交付を受けるための手続き(交付申請)を行い、「交付決定通知」を受け取って初めて、正式に補助金事業を開始できます。交付決定前に発注・購入した経費は補助対象外となるため、注意が必要です。

ステップ6:事業実施と実績報告

交付決定後、事業計画書に沿って事業を開始します。補助対象となる経費の支払いでは、発注書や契約書、請求書、領収書などをすべて保管しておく必要があります。事業期間が終了したら、事業内容と経費の内訳をまとめた「実績報告書」を作成し、証拠書類とともに提出します。

ステップ7:確定検査と入金

提出された実績報告書をもとに、事務局による「確定検査」が行われます。計画通りに事業が実施され、経費が適切に使われたかがチェックされ、問題がなければ補助金の金額が確定します。その後、指定した口座に補助金が振り込まれ、一連の手続きは完了です。

申請時の注意点と採択率を上げるポイント

補助金・助成金は魅力的な制度ですが、誰でも簡単に受け取れるわけではありません。ここでは、申請時に必ず押さえておきたい注意点と、採択の可能性を高めるためのポイントを解説します。

資金は原則後払い(立て替えが必要)

最も重要な注意点の一つが、補助金・助成金は原則として「後払い」であるということです。事業を実施し、経費を支払った後、実績報告を経てから振り込まれます。そのため、事業に必要な資金は、一旦すべて自己資金や融資で立て替える必要があります。

公募期間や申請要件を厳守する

補助金の公募期間は、数週間から1ヶ月程度と非常に短いことが多く、1分でも締め切りを過ぎると受け付けてもらえません。また、申請要件を満たしていなかったり、必要書類に不備があったりすると、その時点で審査の対象外となってしまいます。公募要領を熟読し、余裕を持ったスケジュールで準備を進めましょう。

対象経費を正確に把握する

補助金で支払える経費は、公募要領で細かく定められています。例えば、パソコンやプリンターといった汎用性が高い物品や、飲食費、交際費などは対象外となることがほとんどです。対象外の経費を申請に含めないよう、事前にしっかり確認しましょう。

事業計画の実現可能性と具体性を示す

特に競争率の高い補助金では、事業計画の質が採択を大きく左右します。審査員は「その事業は本当に儲かるのか?」「計画通りに実行できるのか?」「社会にどんな良い影響があるのか?」といった視点で評価します。市場調査のデータや具体的な数値目標を盛り込み、説得力のある計画を作成することが重要です。

認定経営革新等支援機関に相談する

事業計画の作成や申請手続きに不安がある場合は、専門家の力を借りるのがおすすめです。**「認定経営革新等支援機関(認定支援機関)」**とは、中小企業支援に関する専門的知識や実務経験が一定レベル以上にあるとして、国から認定を受けた専門家(税理士、中小企業診断士など)や金融機関のことです。

認定支援機関に相談すれば、事業計画のブラッシュアップや申請書類の確認などをサポートしてもらえ、採択率の向上が期待できます。

起業の補助金・助成金に関するよくある質問

最後に、起業時の補助金・助成金に関してよく寄せられる質問にお答えします。

個人事業主や開業前でも申請できますか?

はい、多くの制度で個人事業主や開業前の方が対象に含まれています。 ただし、制度によっては「創業後〇年未満の法人」といった規定がある場合や、「開業届を提出済みであること」が条件の場合もあります。必ず各制度の公募要領で対象者の定義を確認してください。

返済は必要ですか?

原則として、補助金・助成金は返済不要です。 これが融資との最大の違いです。ただし、不正な手段で受給した場合や、補助金で購入した設備を目的外で使用した場合などは、返還を求められることがあります。

自己資金はどのくらい必要ですか?

補助金・助成金は後払いのため、事業にかかる経費を一旦全額立て替えるだけの資金が必要になります。また、補助率は1/22/3が多いため、補助対象経費の残りの部分(自己負担分)も用意しなければなりません。審査においても、自己資金の有無が事業の実現可能性を判断する一因となることがあります。

複数の制度を同時に申請できますか?

はい、目的や内容が異なる事業であれば、複数の制度を申請・受給することが可能です。 ただし、同一の事業内容(同じ経費)に対して、複数の補助金・助成金を重複して受け取ることはできません。例えば、「Aという設備投資」に対して、国の補助金と東京都の助成金を両方もらう、といったことは不可能です。

まとめ

今回は、起業や会社設立時に活用できる補助金・助成金について、その種類から申請方法、注意点までを網羅的に解説しました。

最後に、この記事の重要なポイントを振り返ります。

  • 補助金と助成金の違いを理解する 補助金は審査で採択される必要があり、助成金は要件を満たせば原則受給できます。
  • 自分に合った制度を見つける 国や自治体のサイトで情報収集し、事業内容や目的に合った制度を探しましょう。
  • 資金は後払いであることを忘れない 事業経費は一旦自己資金で立て替える必要があります。資金計画は慎重に立てましょう。
  • 事業計画書を徹底的に作り込む 補助金の採択には、具体的で実現可能性の高い事業計画が不可欠です。
  • 専門家の力を借りる 不安な場合は、認定支援機関などの専門家に相談するのも有効な手段です。

補助金や助成金は、あなたの事業を加速させるための強力なエンジンとなり得ます。情報収集や書類作成には手間がかかりますが、その労力に見合うだけの価値は十分にあります。この記事を参考に、ぜひ資金調達への第一歩を踏み出してみてください。あなたの挑戦を応援しています。

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